愛されていた記憶

 

小学生の頃の冬休みと春休みは
母の姉
「西岸の伯母」の所で過ごしていました。

夫を早くに癌で亡くして
三人の子供を育てていたので
苦労は並大抵ではなかったと思う。
近所の紡績工場に交代のため
夜中に出掛けていた‥
それでも私を引き受けてくれた伯母。

大人になって分かった事
思い出した事がたくさんある。

「愛されていた記憶」

伯母の家は山側にあり
家から見える踏み切りの向こうの
海には一度も行った事が無かった。
伯母に行ってはいけないと言われていたのか
子供心に「空気を読んでた」のか

何をして1日を過ごしていたのか‥
夕暮れになると家が恋しくて寂しくて
踏み切りの向こうから
帰ってくる伯母を待っていた記憶。

伯母が亡くなり
西岸に来ることが無くなって
20年近くが過ぎていた。

子供の頃寂しい思いでいた夕暮れを
大切な人と過ごした。

 

一緒にいて

 

 

何十年生きても
心通い合える人がいないのは寂しい‥

私がほっとするこの景色を
好きだと言ってくれて

緩〜〜い話
怖い話
真面目な話をして
良い話には一緒に泣いて

部屋の明かりを消して星空を見上げる。

気を使わない
無理はしない
それでも
「(一緒にいて)幸せ」と言ってくれる人に
出会えた事は「奇跡」なのかも‥