漆芸美術館のこの場所に立つと
込み上げて来るものがあります。
30年前ここに立っていた自分を
思い出すからです。
スーパーマルコーの帰りは
いつもここに立ち寄っていました。
家に帰りなくなかった。
何もかもが辛くて耐えられなかった。
当時はカップコーヒーの自販機があり
それを出来るだけゆっくり飲んで
この景色を眺めていた。
カップが空になると悲しくなった。
その頃の私は暗くて
笑顔なんて無かったと思う。
そんな自分が講師として
同じ場所に立って笑顔でいる。
子供達から「先生」なんて呼ばれる自分を
あの頃は想像も出来なかった。
あの頃と家の中も人も変わってない
何ひとつ良くなんてなってない
でも私は変われたんだ。
もうあの頃の私では無い。
そう思うと涙がこみ上げて来る。
「いつかこの家で良いことありますか?」
お盆に届いたLINEを見て悲しくなった。
「あと何年の我慢ですか?」
私よりずっと若い人が
まだ同じ目にあってる。
周りは何ひとつ
何十年経っても変わらないかもしれない
でも自分だけは絶対に良くなれる。
子供達も成長していく
そう信じていて欲しい。