出会うべき人と

暮れから
年が明けてからも
ずっと穴水町の友達の事を思っていました。

空を見ても海を見ても。

「役者は親の死に目に会えない」
テレビで何度も聞いた事があります。

今は「役者」に限らない事です。

コロナ禍になって当たり前のことが
当たり前で無くなりました。

親の死に目に会えなかったのに
葬儀から帰って直ぐの元旦に
いつも通りの笑顔でスタンドに立っている姿に
私は自分が恥ずかしくなりました。
思わず抱きしめた身体の細さを一生忘れません。

初めての出会いは
10年以上前の小さなコンサート
葡萄棚の下で言葉は交わさず
会釈をし合っただけ
その時からもう繋がっていたんだなぁ。

両親の事も義父の事も
私ばかりが損をしてるとずっと思っていました。
その事がたまらなく恥ずかしくなりました。

私の周りの人はいつも笑顔で
優しくて気配り気遣いが出来て
愚痴なんて聞いた事ない。

笑顔や優しさは単純なものでは無くて
その人の生き方人生が凝縮されてる
深く尊いものだと思います。

出会うべき人と出会い
別れるべき人は離れていく。