母の浴衣

実家の母が

「もう、いつ死ぬか分からんから」

浴衣をくれました。

私はこの柄がとても好きだった。

35年以上?

もっと前の物のはず。

当時反物を入れた風呂敷を担いで

呉服屋のお婆さんが

うちに出入りしていた。

約しい母には

贅沢な呉服は無縁だったので

時々、手頃な

長襦袢や浴衣を義理買いしていた。

この浴衣さえ

一度も着る機会が無かった。

長い月日が経っても

こうして何ともないのは

今時の吊るしの浴衣と違って

品質が良いからだと思う。

「生きているうちに」

母の浴衣を着て

見せてやりたくなった。

今回のイベントのテーマが

「うるわし縁日」

不思議な力が

着る機会を引き寄せてくれた気がします。

母がこの浴衣を買った時の年齢は

今の私よりは若かったかも‥