椿

早番の息子が7時に
出勤して一息の時間です。

昨日初めてご来店の
お客様は「蒔絵師」さんでした。
お仕事柄手元用の眼鏡が
必要となり
息子さんが「キロクさんに行けば?」と
言ったそうです。
うちはこの様なお客様に支えられています。
有り難く思います。

「余計な事言うと息子に怒られるので」
遠慮気味に蒔絵の事など
お話ししてくださり

この髪飾りの事を話したら「(蒔絵師として)嬉しい」
笑顔で言ってくださいました。

勤めていた歯科医院を退職する時
もう歯科衛生士に戻る事はないと思ったので
何か記念に残る物が
欲しいと注文しました。

出来上がりを見た時
正直がっかりしました。
抽象的でふっくらした椿が良かったからです。
その時は20代でした。

月日はあっという間に流れ 笑
歳を重ねた今
「輪島塗は美しい」と思います。
歳を重ねるほど好きになります。
繊細で緻密な椿の美しさに
手に取って見ていると
心が洗われます。

「作り手に任せる」事の大切さ。

「高蒔絵」だそうで
「清水の舞台から」だった事も懐かしく

「千雅」は蒔絵師さんの名前なのか?
今でも蒔絵を続けておられるのかな?

「蒔絵師」さんのご来店のおかげで
引き出しから久しぶりに出して
思いを巡らせています。