「糸」

車から降りるなり
「京子ちゃんよく来たね」
ぎゅっと抱きしめられ
手を握ってくれた時
「ああ、マシュマロみたいなこの手」と思いました。

松本に初めて行ったのは
学生の時
家族旅行でも
何度か行きました。
その時も
ここで生きていたんだなぁ…
ようやく会えました。

別れの時
寂しくて
思わず走って戻って
抱き合いました。

こうして見えなくなるまで
ずっとずっと大きく手を振ってくれて‥
事故に遭って足にギブスをしてるのに
「しぇー」までして
笑わせてくれました。

出逢ってまだ2回目なんて思えませんでした。

別れた後に聞こえてきたのは
中島みゆきの「糸」
松本市街の空と景色が
キラキラ輝いて見えました。

「逢うべき糸に出逢えることを
人は仕合わせと呼びます」