「あなたの今の苦労より
あなたを大きくした
お父さんお母さんの苦労の方が大変でした」
以前病院で見透かされた様に掛けられた言葉が
今の私を支えてくれてます。
今朝早く母から電話が掛かってきて
「病院では色々ありがとう。
京子に迷惑掛けてばっかりでごめんね。
京子が可哀想になるよ」
「いつもの言葉」は
珍しく言わなかった。
あえて置いて行った携帯に
恐ろしいほどの着信の数
母の心の状態が分かる。
病院の日
トイレに父を連れて行った時
すっかり目も足も弱ったので
車椅子から降りると
壁を頼りにしたいので
手を伸ばし空をかく様にする。
その腕が私の顔面に直撃した。
年を取ったとはいえ
腕は太く手のひらも大きくて硬い。
痛さに怒りがこみ上げてる。
こんな時に切なさではなく
なんで怒りなんだろう‥
濡らしてしまったズポンの前を
拭きながらますます情けなくなる。
「あなたの今の苦労より
あなたを大きくした
お父さんお母さんの苦労の方が大変でした」