マリアにはなれてない

先ほどのザーザー雨が
嘘ように晴れました。

ついさっき雨が降るこの景色の中に
手押し車を押す義父がいた。

接客中だったけど夫がいるので
走って行って傘を差し掛ける‥

布団屋さんに寄ると言う。
「後にすれば」の言葉を飲み込んだ。

お客様は気の張る方なので
直ぐ店に戻りたい‥
布団屋さんに
「終わったら電話をしてください」
お願いをしました。

10分程して電話が掛かってきて
店を出た父に付いて
後ろからまた傘を差し掛ける。
傘はひとつなので
激しくなった雨が私の肩に当たる‥

義父の背中を見ていると
この人に言われた事を忘れたのか?
この人にされた事を忘れたのか?

ケリが付いてない気持ちが
また湧き上がってくる。

もう力はとっくに逆転している
今日こそ言ってやろう

葛藤は続く‥

「京子さんは私のマリア様」
お友達が言ってくれた言葉。

私はまだ「マリア様」にはなれてない。