母の事がしんどいと思った。
母から逃げて西岸に行きたくなった。
堤防沿いにただただ
どこまでも歩きたいと思った。
西岸に行くには実家の前を通る‥
びくびくしながら実家の方をそっと見た。
母が家の前で体の大きさほどの
青いゴミバケツを洗っていた。
西岸に 行くはずが
頼まれていた父の紙おむつを買って
実家に行ってしまった。
母はどんなに混乱しても
怒っても
何十年も前の事を蒸し返しても
顔つきが変わっても
私への「愛情」は残ってる。
私と母はそれで繋がっている。
実家から戻ると
家の前のプランターの冬枯れしたアイビーに
白い紙切れが引っ掛かっていた。
強風で飛ばされて来たゴミだと思った。
どこからか飛んで来たのか
通行人が落として行ったのか
店の前に止めた私の自転車カゴに
誰かが入れたのか。
それが風で飛んだのか‥
こんな事が書いてあると
そう思ってしまう。