小春日和のような

空

昨日の嘘みたいな空

午後からの南側の陽射しと

窓を開けた時の

ひんやりした空気が混ざって

「小春日和みたい」と思ったら悲しくなった。

義母が亡くなった季節を

体が記憶してる。

指輪の事でご来店の婦人が

「ここのお母さん生きとる時に~」

何度もおっしゃる。

そこに義父の知り合いがご来店で

義父が珍しく奥から店まで出てきた

そして義母が亡くなった時の事を

事細かに話して聞かす・・・。

義父は耳が遠くなってから

声が大きくなった。

いつも通りに接客しながら

『こんな事など、なんでもない』

自分に言い聞かせていた。

これからずっとこんな事を

繰り返していくのだろうから・・・