今朝の朝市通り
久しぶりの方に出会ったので
嬉しくて声を掛けた。
その方は丸くなった背中を更に深くして
泣き崩れたのだった。
朝市から少し入った路地の
コンクリートに涙が落ちた。
昔々の人なので
頑なな人なので
そうやって踏ん張ってきた人なので
「何かあったの?」と聞いても
きっと本当の事は話さない。
背中を折ったまま
「京子さんに会ったら‥」
「京子さんに会ったら‥」
白いガーゼのハンカチで
涙を拭きながら言うだけだった。
「喫茶店にでも入りませんか?」
言うべきだった。
どこかで座って話しませんか‥
言えばよかった。
まだまだな自分が情けない
日々の事がちゃんと出来て いるか
こうして「試される」