夕暮れに

夕方の買い物帰りの交差点で
時々出会う白い杖の人。
盲人用の信号機では無いのに
上手に渡って行きます。
渡りきった所の
民家のコンクリート部分を杖に当てた感触で
渡りきった事を確認している様です。

あの日も‥いつもの様に渡り出し
今日は少し斜めだなぁと見ていると
どんどん斜めになる
そして中央分離帯が杖に当たって
渡りきったと勘違いしたらしく
車道の真ん中をどんどん歩いて行く。

自転車を放り出して
歩道まで引っ張ってきた。

ちょっとしたパニクックの私に比べ
その人は割と冷静で
またいつも通り渡って行きました。

正しく渡る事を見送っている間も
私はなぜか心臓がドギドキしていた。

「そうだよね、人はいつも同じじゃない
調子の良い時悪い時がある。
料理だって毎日作っていても
失敗することもある」

自分自身に語りかけていた。

私がいなかったらあの人は
どうなっていたのかな?
想像するとまた心臓がドギドキした。

誰もが誰に対しても
ほんの少しの「気に掛ける」があれば
いいのかも‥と思いました。