今日という日


能登半島沖地震から
今日で11年目です。

今日がどんな日で
亡くなった人の事を思った人は
どれだけいただろう‥

東日本大震災の時
中継で流れた悲惨な状況‥
可愛らしい女性が
マイクを向けられ
子供の様に泣きじゃくりながら
「命ってひとつしか無いんだね」
何度も言った。
市役所に勤めている
お母さんを探していると‥

私も涙が溢れて溢れて
声を出して泣きました。

「ひとつしかない命」
あの方はどうしているだろう‥

きっと輪島の地震なんて
忘れられてしまう‥
命はひとつやのに‥

その年から届け始めた
亡くなった奥様が好きだったという
チューリップ。
名乗らず届けていましたが
狭い輪島なので
直ぐに分かってしまいました。

お会いする時は
ぎこちなく短かい会話ですが
慰めているつもりでした‥

義母が亡くなった時‥
裏口で立派なお花束を抱え
花の色彩と同じように
遠慮がちに
立っておられたのだった。

声を掛けられた途端
堰を切ったように涙が溢れ
初めて人の前で泣いたのでした。
あの「命ってひとつしかないんだね」
子供のように泣いていた女性のように。

「人は誰に慰められるか分からない」
何かで読んだ事があります。

花を届けていた私が
その方に慰められる‥
想像もしませんでした‥

あの泣きじゃくっていた女性は
あれからどうなっただろう
探していたお母さんは
見つかったのだろうか‥

この日が来ると思いだします‥