まぁ、しゃあないな

辛い時の心の支えとなっている言葉
「まあ、しゃあないな」

阪神淡路大震災直後のニュース
瓦礫の中にポツンとしゃがんでいたおじさん。
作業という感じでは無く
何とく瓦礫を拾っている様子だった。

地震で店を失い
前の年に新築した家も無くなってしまったと言う。

マイクの人が
慰めの言葉を掛けると
「まぁ、しゃあないな」とだけ言った。
おじさんは何を言われても
「まあ、しゃあないな」
淡々と繰り返した。

消防車が遅かった
行政の対応が悪い
怒りを露わにする事も出来た。

本当に辛い時
あの瓦礫の中にいたおじさんに
会いたいと思った。

元気にしているかな?と思った。

瓦礫の中の丸い背中と
「まあ、しゃあないな」
24年間忘れた事は無かった。

年を重ねると受け入れ難い事が多くなる。
そんな時は
「まあ、しゃあないな」
心の中で唱える。